大学院での学びの大きな特徴のひとつに、一緒に学ぶ仲間たちとの出会いがあります。業種も、職種も、キャリアも違う多様な学生たちとのディスカッションを通した学びで、お互いが刺激し合い、新しい視点を獲得していきます。在学生だけでなく、修了生とも太いパイプでつながるネットワークは、キャリアと人生に大きな価値を与えてくれます。
修了生たちとの熱いつながり
Big Fellow Forum(BBF)
修了生たちとの強い絆も本研究科の特徴です。その代表的なものがBig FellowForum(BFF)。これは研究科設立すぐに生まれた、学生たちが自主的に運営している異業種交流の場です。現在はたくさんの修了生と在学生、教員が参加して、月1回程度の定例会でテーマを決めての議論や、教員による講演などの活動を行っています。また、例年夏期休暇中に開催している1泊2日の研修会(夏合宿)は、毎年駆けつける修了生もいるほどの人気イベント。多種多様な職種、業種の実務経験者との交流で培われた人脈は、生涯にわたって貴重な財産になるはずです。
経営企画
自分を変えようという行動が周囲も変えていくことを実感しました
2014年3月修了
リコーITソリューションズ株式会社
経営企画本部STCセンター長
中央研究所でIT技術者としてキャリアをスタートさせた木原さんは、入学当時すでに技術とマネジメントの両方に精通する人材として、経営戦略センターの副センター長の役職にあった。しかし、技術戦略の立案を行いながらも、「自分の能力は会社の外でも通用するのか」という不安は常に感じていたという。子どもが大学に入学したことをきっかけに、「自分自身をブレークスルーしたい」という思いから、木原さんは工学マネジメント研究科の門を叩いた。工学マネジメント研究科で得たものは、「体系的に学ぶことで深めることができたスキルと自信と、一緒に学んだ仲間たちとのつながり」だという。その学ぶ姿勢と、知識と経験と学問に裏付けされた提案の数々は木原さんへの信頼を深め、工学マネジメント研究科修了間際には現部署のセンター長に抜擢された。「閉塞感にうつうつとしているのではなく、何か行動を起こして状況を変えていく。そんな姿勢が、自分はもちろん、周囲すらも変えるということを実感しました。芝浦で学んだことが、私を次のステージに連れていってくれたと思います」。(掲載内容は取材当時のもの)
研究開発
高いパフォーマンスを生み出す組織を作りたい
2016年3月修了
株式会社明治
技術開発研究所 生産技術研究部
山倉さんは入社以来、生産技術の研究者として製造設備の研究開発に取り組んできた。技術者たちにも研究成果でお金を生み出す仕組みを作ることが求められており、山倉さんもそれを意識して仕事に取り組んでいたが、なかなか成果を出せずにいた。そんな時にMOTを学ぶ機会を与えられ、山倉さんは「大きなチャンスをもらった」と感じたという。大学院での学びで特に興味を惹かれたのは「組織と戦略」「組織行動論」といったビジネス・マネジメントの領域。研究者として山倉さんがそれまで培ってきたキャリアにはなかったスキルだった。「特定課題研究でも、組織として高いパフォーマンスを発揮するにはどうすればいいか研究テーマにしました。『技術は世の中に出ていかなければ価値を生まない』、『研究開発には、お客様のこと、市場のことを見据えた視点が必要』。そうした大切なことを、授業はもちろん、業種も職種も違う仲間たちの多様な視点に刺激をもらえました」。