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昨年行われた芝浦ビジネスモデル・コンペティション最終審査発表会 – 詳細レポートはこちらへ

技術経営を体現する起業家をサポート。
芝浦ビジネスモデル・コンペティション(SBMC)最終審査発表会を開催。

12月4日、芝浦工業大学専門大学院工学マネジメント研究科(MOT)と、TIS株式会社、株式会社エスアイテック、飯田グループホールディングス株式会社との共催による「芝浦ビジネスモデル・コンペティション(SBMC)最終審査発表会」が芝浦キャンパス802教室において開催されました。
SBMCは、工学マネジメント研究科が掲げる「Management of Technology(技術経営)を体現する人材発掘と、アントレプレナーシップの醸成を目的とし、先進技術を活用したビジネスアイデアを競うコンペティションです。テーマとしては、日常生活の課題から見えたビジネスプランや消費者の視点から見えた事業アイデアなど、斬新なビジネスモデルを提案する「ビジネス部門」と、芝浦工業大学が出願済みの特許技術を活用したビジネスモデルを提案する「テクノロジー部門」の2部門を設定。今年8月からエントリーを開始し、ビジネス部門13件、テクノロジー部門31件の応募が全国から寄せられ、当日は、一次選考を通過したビジネス部門5件、テクノロジー部門5件がプレゼンテーションを行いました。

– 審査員 –

PowerPoint プレゼンテーション

 

ビジネス部門の発表

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ビジネス部門で最終選考にノミネートされたのは5件。以下の順番でプレゼンテーションが行われました。

発表者の説明

新規痰吸引装置の開発

壁井研究室チーム
発表者:小松広賢氏(芝浦工業大学2016年卒・医療機器メーカー勤務)
安全性を確保し、誰でも使えるシンプル操作を実現した画期的な痰吸引装置を開発し、販売ルートも従来のBtoBからBtoCへと拡大。

MOT社労士が全てのスタートアップ企業を支援し、成長を可能にする
「法廷帳簿自動作成サービスの提供」

トライアスリートチーム
発表者:植松隆史氏(MOT2年、社労士)
労働社会保険諸法令で定められている法定帳簿をWeb上で自動作成する新サービスを展開し、スムーズな会社設立を支援。

独居老人向け「食コン」サービスの提供

お達者クラブチーム
発表者:土山真由美氏(MOT2年)
使いやすい通信端末を利用した「会話」と、配食事業者と連携した「食」のサービスを同時に提供するプラットフォームを構築。共助の仕組みで、高齢者の「楽しさ」と「安心」を支援。

ビューティ&ヘルスケア++

さくらヘルスケア研究所チーム
発表者:石木康之氏(MOT2年)
美肌と生活習慣病に関与するAGE(終末糖化産物)に着目。対話型AIとビッグデータ解析をコアに、利用者・スポンサー・保健指導者間のNWを構築し、女性に対するAGEケアサービスを提供。

ジェネリック知財情報サービス及び技術導入支援サイトの運営

ベンチャー魂チーム
発表者:榎本之雄氏
特許期限を超過もしくは権利放棄された知財情報を集めたDBを構築。会員企業に対し知財情報の提供と同時に、コンサル等の技術導入支援を実施する新ビジネス。

テクノロジー部門の発表

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テクノロジー部門では、芝浦工業大学が出願した以下の特許3件から1件を選択し、それを活用したビジネスアイデアを競います。

[対象となる特許]
1. 巨大磁気抵抗効果を用いた高効率磁化反転デバイス
発明者:芝浦工業大学工学部 赤津観 教授
コイルと永久磁石の双方の利点を持つGMR*素子を用いて、体内に入れられるほどの超小型・高効率モータを作る技術。
*GMR(Giant Magneto Resistive):巨大磁気抵抗

2. 高強度と高耐食性を有するアルミニウム合金材及びその製造方法
発明者:芝浦工業大学工学部 石崎貴裕 教授/芹澤愛 助教
アルミニウム合金を蒸気にさらすだけで、簡単に高強度化・高耐食性化すると同時に、低コスト、低環境負荷で製造する技術。

3. ナノカーボン材料含有ゲルの製造方法~いろいろな素材にナノカーボンを混ぜる~
発明者:芝浦工業大学工学部 小西利史 准教授
ナノカーボン類の極めて悪い加工性を改善。溶液化、ゲル化することで、低コストで簡単に各種素材にナノカーボンを混ぜる技術。

発表者の説明

公共施設で事業を加速する、新機能デバイス「アクチュエータマトリクス」の製造・販売

ウッタテチーム
発表者:木山次郎氏
高効率磁化反転デバイス技術を用いて、上下稼働する素子を格子状に配した「アクチュエータマトリクス」を開発。デバイス上の凹凸形状でヒトの視覚・触覚・力覚に訴求し、福祉機器(案内地図、空間概念把握教材)、VR(アミューズメント機器、博物館の展示物)など、さまざまな分野に展開。

「高強度と高耐食性を有するアルミニウム合金材及びその製造方法」技術の可能性‐カーボンミニマム型循環・マッチング市場の算出と検証‐

アドバンス160924チーム
発表者:加藤晃氏(知財アナリスト・化学薬品メーカー勤務)/小野寺恭子氏(知財アナリスト)
高強度・高耐食性アルミニウム合金をエアコン用のエバポレーター(蒸発による気化熱を利用した熱交換器)に適応した場合の特許ロイヤリティーを試算すると同時に、事業化のためのリスクからその実現性まで多角的に検証。

高強度・高耐食性のアルミニウム合金を用いた断熱性能の高いアルミサッシ

小野恭弘チーム
発表者:小野恭弘氏(一級建築士)
アルミニウムの熱伝導率はガラスの約210倍であることから、高強度アルミを使いサッシ部分の面積を最小化することで高断熱化を図りZEH*基準の適合を目指す。
*ZEH(ゼッチ:Net Zero Energy House):住宅の断熱性・省エネ性能を向上と、太陽光などの自家発電により、年間のエネルギー収支±0を目指す住宅。

3Dプリンタを一家に一台普及させるシステム

MasLabチーム
発表者:増田亜由美氏
FDM(熱溶融積層)方式3Dプリンタの既存のフィラメント(ABS樹脂、PLA樹脂)に、高強度なナノカーボン樹脂を加えることで、出力する造形物の色や材質などのバリエーションを高め、3Dプリンタの普及を促進。

ナノ炭素が拓くバイオ医薬品の新境地

翔翔チーム
発表者:渡部毅氏(工学博士)
抗体などのタンパク質からなるガンやリウマチなどの治療に用いられる医薬品の開発の際に、ナノカーボンを用いることで効率的に物質の分離が可能になるという技術。副作用が少なく効果的なバイオ医薬品の開発を推進。
*バイオ医薬品:遺伝子組み換え技術を利用した医薬品

1チーム、質疑応答を含め20分という時間制限のある中で、ビジネス部門、テクノロジー部門とも、すべてのチームが15分以内にプレゼンテーションを完了し、スムーズな進行となりました。また、質疑応答においては、審査員からテクニカルブレークスルー、ビジネスとしての実現性や将来性、模倣対策などについて厳しい質問もあり、活気がみなぎる中で、すべてのチームの発表を終えました。

表彰式

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ビジネス部門・特別賞 (賞金5万円)

さくらヘルスケア研究所チーム「ビューティ&ヘルスケア++」
プレゼンター:田中秀穂「とても興味深いアイデアでした。男性にも適応できるサービスにしてください」

ビジネス部門・優秀賞 (賞金10万円)

お達者クラブチーム「独居老人向け「食コン」サービスの提供」
プレゼンター:宮本聡「近々、私もあなた方のユーザーになるはず(笑)。どうか明るい老後を約束してください」

ビジネス部門・最優秀賞 (賞金30万円)

壁井研究室チーム「新規痰吸引装置の開発」
プレゼンター:鈴見健夫「画期的な商品になると思います。今後の介護・医療問題の解決のためにも是非実現させてください」

テクノロジー部門・特別賞 (賞金5万円)

小野恭弘チーム「高強度・高耐食性のアルミニウム合金を用いた断熱性能の高いアルミサッシ」
プレゼンター:田中秀穂「ZEHは建設業界にとって大きな課題と伺っています。エネルギー問題の解決のため頑張ってください」

テクノロジー部門・優秀賞 (賞金10万円)

ウッタテチーム「公共施設で事業を加速する、新機能デバイス「アクチュエータマトリクス」の製造・販売」
プレゼンター:宮本聡「バリアフリー化は大きな課題です。ハンディキャップを持つ人たちのためにも活躍を期待します」

テクノロジー部門・最優秀賞 (賞金100万円)

翔翔チーム「ナノ炭素が拓くバイオ医薬品の新境地」
プレゼンター:西河洋一「最もビジネスにつながりそうな点を評価しました。賞金の100万円を半年で1億円にするくらいの意気込みで頑張ってください」sb2


以上の受賞されたチームの代表者は、次々に登壇し、プレゼンターから記念の盾、賞金などが授与され、大盛況のうちに閉幕となりました。

最優秀賞受賞者の声

ビジネス部門・最優秀賞:壁井研究室チーム・小松広賢氏
「本校在学中から研究室で手掛けていたテーマです。壁井先生をはじめ、皆に感謝します。特に痰吸引カテーテルの先端部の形状などを工夫しました。1-2年以内でプロトタイプを完成し、5年以内には製品化し、会社の1事業部を担いたいと思います」
テクノロジー部門・最優秀賞:翔翔チーム・渡部毅氏
今回最優秀ということで、自分の提案が評価されたことは大変自信になりました。今後技術的なブラッシュアップを図ると同時に、このSBMCのような場で人脈をつくり、近い将来には実際のビジネスに展開していきたいです。

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